【とある催事にて…】ちょっとユニークな調律師さん

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舞台で仕事をしていると、ピアノ調律師の方々と話をする機会が多いものです。

先週も管理で入っているホールで男性ピアニストによる演奏会があり、お昼と夕方の2回公演がありましたが、この日の調律師は終演までずっと立ち会っていらっしゃったので、彼の手すきの時間に雑談していました。

ピアニストからリハーサルの最中に呼ばれた時、どんな注文があったのか、そしてそのためにどんな調整をしたのか、など教えていただきました。


私は自分がアマチュアピアノ弾きなので(大してうまくはありませんよ)、ピアノの歴史や構造、調律のことなども少し勉強したこともあり、あれこれ質問するのですが、こちらが興味を持っているとみなさん丁寧に教えてくださるものです。


さて、今回ちょっとユニークな調律師さんのことを思い出したので、ご紹介しましょう。

この方とお会いしたのは、だいたい三十年くらい前、とある夏の国際音楽祭のことでした。

この音楽祭は、ある有名温泉地の観光ホテルを会場として開催されていましたが、某楽器メーカーの企業協賛で、講師のレッスン用、受講者の練習用、そして音楽祭期間中に開催される演奏会用に、ホテルのホールとロビーに最新型のコンサートグランドと、数十台のピアノが持ち込まれていました。

そして、このコンサートグランドピアノを調律するために、約2週間張り付きで派遣されて来ていたのが、この調律師さんでした。
身長は180センチくらいと立派な体格で、髪型はスポーツ刈り、年齢は40歳くらい。

この音楽祭のスタッフとして参加していた私は、少々強面のこの調律師の方に初めは恐れを抱いていたものです。

しかし話をするようになるととても楽しい方で、若かった私たちスタッフは彼にどんどんなついていきました。

そうした中で、彼の経歴なども教えてもらうようになったのですが、驚いたことに彼はもともと社会人野球のピッチャーだったというのです。

「若いころには、プロ野球からも声がかかったんだ」と自慢げに話してくれました。
彼は、この楽器メーカーの社会人野球部の選手だったわけですが、引退した後に仕事に困らないようにと、会社側が調律などの技術を身につけるよう推奨していたそうです。実は元野球選手の調律師は結構存在するらしく、プロ野球にも、社会人選手時代に調律師の資格を取った選手がいるとのこと。
さて、この元ピッチャーの調律師さんですが、演奏会は毎晩あるわけでもなく結構ヒマにしていて、いつもロビーのソファにふんぞり返っていました。

そのうちアレ、いない?と思うと、タクシーでパチンコに出かけていたという…。

なかなかああいう豪快なタイプの調律師さん、あれ以来見かけたことはありませんね。

 

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